2012年4月号 DEEP [ディープ・インサイド]
「南京事件はなかったのではないか」という発言が中国の怒りを買っている河村たかし名古屋市長が、その後始末に頭を抱えている。くだんの発言は、2月20日に表敬のため訪れた南京市の代表団に対して発したもの。南京で終戦を迎えた市長の父親が現地で厚遇されたことを引き合いに出しつつ、年来の持論を語った。発言が日本のメディアを経由して中国に伝わるや、現地の新聞は揃って猛反発。中国外務省は不快感を表明し、ネットでは名古屋への旅行ボイコットが呼びかけられた。折しも、中部経済界は中国人観光客の誘致のため、中部国際空港から北陸までを貫く「昇龍道」と銘打った観光ルートを売り込み中。そこに冷や水をかけた河村市長の無思慮ぶりに、地元財界は怒り心頭だ。一方で、減税政策が飽きられ求心力を失いかけた市長にとっては、久々に存在感を示せたチャンス。ぶざまな発言撤回は、何としても ………
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