挙国一致の「秋入学移行」は破綻する

過半の大学や学生・保護者の負担はそっちのけ。はた迷惑な東大のスタンドプレー。

2012年4月号 LIFE

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一見美しいお題目が、唐突に〈挙国一致〉のスローガンになってしまう。そんな時には眉に唾をつけてかかったほうがいい。そもそもどこからも正面切った異議が聞こえてこない「改革」は相当怪しい。言いだした東大はもちろん、政権と産業界、そして文部科学省がこぞって進める大学の「秋入学移行」という動きのことである。日本の大学は国際化が進まず教育研究の水準が主要国より見劣りする。このままではグローバルな人材が育たず、国力の低下につながる。外国からの留学生も外国へ出てゆく学生も減っている。それなら入学時期を国際標準の秋にすれば、グローバル化がすすんで全体が底上げされるはず――。こんなシナリオで4月に新入生を迎えている現在の仕組みを5年後から全面的に「秋入学」に変えよう、というのがこの1月に東大が中間報告として発表した改革案である。「なぜこの時期にこんな改革が」と ………

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