騒乱事件のリーダーを党総支部書記に指名した度量。中国の部分民主化への扉を開くか。
2012年3月号 GLOBAL
今秋開催される第18回中国共産党全国代表大会(18大)を睨み、党指導部内で権力闘争が激しさを増している。そんななか、広東省党委書記の汪洋(ワンヤン)の評価がにわかに高まっている。汪は共産主義青年団(共青団)の出身で胡錦涛(フーチンタオ)国家主席(兼党総書記)の信任が厚く、党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の次期メンバーの有力候補。インターネットを通じた市民との対話イベントで「自分を罵倒する書き込みをいつも読んでいる」と発言するなど、比較的リベラルな姿勢で知られている。
そんな汪が世間をあっと言わせたのが、広東省南東部の烏坎(ウーカン)村で起きた村民蜂起の“平和解決”だ。2011年9月21日、烏坎村の党幹部による土地の不法転売に怒った数千人の村民が、組織的な抗議行動を開始した。逃げ出した党幹部に代わって独自の自治組織を作り、村を管轄する上 ………
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