「責任逃れ」東電襲う集団訴訟

南相馬の住民約1万人が集団提訴へ。自主避難者を含めた賠償総額は数十兆円に膨張。

2012年3月号 BUSINESS [崖っぷち東電]

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「放射性物質は無主物(海の魚や野生動物などのような所有者のいない動産)」「すべての取締役に任務を怠った責任はない」。東京電力は福島第一原発事故をめぐる裁判や株主からの取締役提訴請求で、こう反論している。責任を感じていないような対応が今後相次ぐ裁判で通用すると思っているのだろうか。事故で避難したり、経済的損害を受けたりした被害者は15万人を下らないとみられるが、裁判はまだ少ない。賠償請求に東電が応じない場合に仲介する政府の原子力損害賠償紛争解決センターの段階で時間がかかり、訴訟に進んでいないからだ。東電は政府の原子力損害賠償紛争審査会が示した中間指針に基づき、慰謝料月10万~12万円、避難のための交通費5千円以内、宿泊費1泊上限8千円などの基準を設け、昨年9月から賠償請求の受け付けを始めた。事故発生から8月末までの分として約2340世帯に計約53億円(11 ………

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