「西松事件」も検察の虚構だった

「会社を潰すぞ」「部下を逮捕するぞ」という脅しに屈した國澤元社長。彼を主犯とする特捜部のシナリオは間違っていた。

2012年3月号 BUSINESS [真相明かす新証言]

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民主党元代表の小沢一郎被告の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件の裁判は、4月下旬にも小沢被告に対する判決が言い渡される。この事件のきっかけとなったのは、東京の準大手ゼネコン「西松建設」の外国為替及び外国貿易法(外為法)違反と、政治資金規正法違反という二つの事件だった。だが、2009年7月に元社長の國澤幹雄が二つの罪を認めて禁固1年4カ月、執行猶予3年(求刑は禁固1年6カ月)の有罪判決を受けた西松事件で、違法行為を主導していたのは本当に國澤だったのか。事件は検察が描いた強引なシナリオに基づいて立件されたのではなかったのか。関係者の新たな証言をもとに、その真相に迫る。

「トンネルの神様」が授けた妙案

戦前からダムやトンネルなど官公庁が発注する大型の土木工事を得意としてきた西松は、土木畑出身の柴田平(故人)が社長に就任した1983年以降、急激に業績を拡大させた。「ゼネコ ………

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