消費増税2段階はナンセンス

野田首相が強引に通した「一体改革案」。財務省がテンコ盛りしたデタラメを暴こう。

2012年2月号 BUSINESS

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昨年末、消費増税を柱とした「社会保障と税の一体改革」案が政府内で決まった。野田政権が臨む国会審議はこれからだが、内容はかなりデタラメだ。まず消費税を社会保障目的税とする点。財務省の情報操作で洗脳されたマスコミは疑問を抱かないが、消費税を社会保障目的税にするのは先進国ではまず例を見ない奇妙なものだ。社会保障はふつう保険方式で行われる。給付と負担の明確化のため財源を保険料とするのが原則なのだ。所得のない人向けに税財源を投入することはあっても、税を目的税化することはない。税を財源にすると、給付と負担の明確化がなくなり、サービス需要が大きくなる。経済学では財政錯覚(Fiscal Illusion)として知られるが、税財源だとその分、取りが大きくなって社会保障費が膨らむのだ。特養ホームで内部留保が2兆円にものぼったことが指摘されたが、税金投入が一因だろう。

徴収漏れが18兆円も

さ ………

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