東芝がウェスチングハウス社長解任

誇り高きモンロー主義と格闘5年、ついに首のすげ替え。逆風に抗い原発に賭ける。

2012年2月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

本社のあるピッツバーグからのその一報は、世界の原子力関係者を驚かすに十分だった。米国の原子力大手、ウェスチングハウス(WH)の最高経営責任者(CEO)、アリス・キャンドリスが、親会社の東芝によって解任されたのである。親会社が子会社トップの首をすげ替えることなど、さして珍しくもないが、WHの場合は意味が違う。米国そのもののような企業であり、誇り高きメンタリティーは、本社のある都市の名を冠して「ピッツバーグ・モンロー主義」と呼ばれるほど牢固としている。WH買収から5年、東芝が格闘してきたこのモンロー主義に、佐々木則夫社長はついに断を下し、3月末でCEOとCOOが代わる。1886年の創業以来、WHは民生、軍事を問わず米国産業の基礎を築いてきた。鉄道の動力装置を開発したのもWHなら、電力会社向けに蒸気タービン発電機を初めて製造したのもWH。放送の黎明期に主要都市で次々に ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。