2012年2月号 DEEP [ディープ・インサイド]
金融庁が悲願の「財務官」構想実現に一歩踏み出した。今夏の幹部人事で、国際金融政策担当の審議官が局長級の「国際政策統括官」に格上げされることになったのだ。霞が関では新参者の金融庁には局長のイスが三つしかなく、特に国際派の局長級ポストがないことが頭痛のタネだった。それだけに、今回の格上げに、同庁は手放しの喜びようだ。バーゼル3など各国金融当局間で繰り広げられる金融規制を巡るシビアな駆け引きでは、交渉当事者の肩書が物を言う場面が少なくない。その点でも局長級統括官の誕生は、日本の金融機関が国際競争力を高めるうえで意義がある。金融庁の狙いはそれだけではない。官僚機構の自己増殖本能に例外はなく、同庁は密かに次の一手を描く。内政を統括する事務次官と通貨マフィアとして知られる財務官の次官級2ポストを擁する財務省に倣い、近い将来、統括官を長官級のポストにさ ………
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