金正恩「遺訓統治」に焦り

あまりに早い軍最高司令官への推戴。既成事実化を急ぐが、内実は集団指導。対外挑発など予測不可能性が高まった。

2012年2月号 GLOBAL [29歳の孤独な独裁者]

12月19日午前10時、緊張が走った。北朝鮮国営の朝鮮中央放送が正午に「特別放送」を行うと予告したからだ。「重大放送」を行ったことは過去に何度もあったが、「特別放送」の前例は1994年7月9日に報じられた金日成主席の「訃告」のみ。ここで活きたのは日常のモニタリング成果であった。日本では北朝鮮の放送を24時間体制で聴取し、検証を行う財団法人ラヂオプレスが速報を出した。朝鮮中央テレビは同日、通常は午後5時に始まる放送を午前9時から開始していた。94年7月に「特別放送」があるとの予告を聴取したラヂオプレスの担当官が、その聞き慣れない言葉に驚いたというのは北朝鮮ウオッチャーの間では有名な話だ。今回も金正日総書記の死去報道であると断言こそできないものの、金日成主席死去に匹敵する大ニュースが入ってくることが確実視された2時間であった。しかし、野田佳彦首相の当日の対応は ………

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