2012年2月号 POLITICS [ポリティクス・インサイド]
国民新党の亀井静香代表が金融相時代に生み出した中小企業金融円滑化法の再延長が決まった。中小企業の借金返済の猶予を金融機関に促すだけでなく、その融資を不良債権扱いすることも認めないこの法律は「平成の徳政令」と呼ばれ、亀井氏が構想をぶち上げた09年当初から、金融界では非難囂々の代物だった。昨年4月、時限立法だったはずの円滑化法は、貸し渋り対策の名のもとに1年間延長された。金融庁や銀行界は、3月の期限切れとともに今度こそ「天下の悪法」を葬り去る方針だったが、円高や東日本大震災を理由に政府・与党が妥協し、再び延長をすることになった。国民新党副代表の自見庄三郎金融相は面目を保ったが、金融庁は完敗も同然だ。ある地銀幹部は「現下の景気情勢では、いったん返済を猶予した中小企業が立ち直る可能性は非常に低い」と語る。つまり、円滑化法は「不良債権の発生を思考停止 ………
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