鳴り物入りの高齢者向け「サ付き住宅」に、全国の自治体が右へならえの建築規制。元凶は現場知らずの国交省。
2012年1月号 LIFE
第2の介護保険制度と呼んでもいい新しい高齢者ケアの制度が始まった。高齢者居住安定法による「サービス付き高齢者向け住宅」(サ付き住宅)である。欧州では古くから「福祉は住宅に始まり、住宅で終わる」といわれる。要介護者にとって住まいの問題は、本来は真っ先に取り組むべき課題である。だが、わが国では縦割り行政で「介護は厚労省、住まいは国交省」と分断され、要介護高齢者向けの住宅政策は置き去りにされてきた。そこに10月20日から両省の共管事業として、やっと「サ付き住宅」が登場したのである。従来の内部ケア付き居住施設である特別養護老人ホームや老人保健施設、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)、ケア付き有料老人ホーム(特定施設入所者生活介護)などは、職員がノックもせずに自由に出入りができ、入居者のプライバシーは無視されてきた。厚労省の所管のため住まいと ………
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