消費税増税の「素案」決定で「先頭に立つ」と宣言したが、閣内司令塔も参謀もいない。小沢が揺さぶりに出た。
2012年1月号 POLITICS [頼りにならない輿石と前原]
「どの内閣でももはや先送りできない待ったなしの状況だ。それを実現するための思いは不退転の決意だ」12月9日夕、首相官邸。首相の野田佳彦は記者会見で、社会保障制度と消費税率引き上げの一体改革を巡る「素案」の年内決定に政権の座を懸けて取り組む覚悟を鮮明にした。その数日前のことである。「3・11」の大津波に呑まれた岩手県陸前高田市の高田松原。7万本もあった松の中で1本だけ生き残った「奇跡の一本松」が打ち寄せた海水の影響で根腐れが進み、地元の市民団体もとうとう再生断念に追い込まれた――こんなニュースが流れた。「不退転の決意」を口にする野田が立ち枯れる一本松にダブった。民主党政権は鳩山由紀夫と菅直人という暗愚の宰相でメルトダウン。野田で「冷温停止」したものの、人の配置や役割分担がぐちゃぐちゃで、もはや体をなさない。官邸を組織的に支えるつっかい棒は事務次官の ………
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