2012年1月号 DEEP [ディープ・インサイド]
オリンパスの損失隠し事件が引き金となり、日本企業のガバナンスには国内外から疑惑の視線が向けられ始めた。批判の矛先をかわそうと、法務省や金融庁は会社法改正を企て大企業への「社外取締役」の義務化を目指している。だがこれは霞が関による「火事場泥棒」にほかならず、社外取締役を官僚OBの天下り先にする魂胆である。委員会設置会社を中心に社外取締役を導入済みの企業は少なくないが、日本では満足に機能していない。オリンパスに象徴されるように、事実上の任命権が社長にあり、取引先や交友関係の中から「お気に入り」が選ばれるためだ。会社法改正が実現すれば、親密取引先などの出身者は社外取締役から除外される見通し。となると、民間出身だけでは適格者が足らなくなる。それに乗じて各省庁や日銀などが大量のOBを有力企業に社外取締役として天下りさせようというわけだ。社外取締役は月 ………
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