2012年1月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第69回]
中国外交の劣化に歯止めがかからない。新興の大国の奥底でとぐろを巻く人々の不満に政治指導部が恐れおののき、その結果、主要国との関係を傷つけている。 中国の胡錦涛・国家主席は、11月にハワイで開かれたAPEC首脳会議で野田佳彦首相と会談し、野田首相を初めて北京に迎えて、日中首脳会談を行うことで合意していた。これを受けて日中の外交当局者が折衝を重ね、野田訪中の日程は、翌12月12日と13日の両日とすることが固まった。新しい年、2012年は、日中が国交を打ち立てて40周年の節目にあたる。両首脳はこれを機に、戦略的互恵関係を一層深める方策を話し合うことになっていた。「ほんとうに大丈夫なのでしょうね。12月12日ですよ」中国外務省の当局者は、戸惑いを押し殺しながらも、一瞬の間を置いて頷いたという。だが、日本側の不吉な予感は的中してしまった。中国国内の反日政治勢力の奔流が ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。