2011年12月号 連載 [メディアの急所]
日本新聞協会は10月18日に京都で今年の新聞大会を開き、東日本大震災に関する特別決議を採択したが、その最後の段落が話題になっている。「未曾有の大災害に新聞協会会員社であると否とにかかわらずすべての新聞人が発揮した使命感と遂行の力を分かち合おう」というくだりがそれだ。なぜ非会員会社のことにまで言及したのか。ヒントは決議の前段にある。通信が途絶え、輪転機も回せぬ中で被災地の新聞社は何をしたのか。決議は「ある新聞社は手書きの壁新聞を作り上げ、避難所に張り出した。車載バッテリーでコピー機を動かし新聞を印刷、配布した社もある」と述べている。「手書きの壁新聞」は言うまでもなく石巻日日(ひび)新聞を指す。同紙は大震災による津波で輪転機が水没。かろうじて水に濡れなかった新聞ロール紙にマジックペンで記事を書き連ねた壁新聞は、6日間にわたって避難所6カ所に張り出 ………
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