民間版「国家戦略会議」が台頭

司令塔とは名ばかりの政府の戦略会議。在野の論客を集めた提言組織「日本創成会議」がお株を奪いかねない。

2011年12月号 POLITICS [ 拠点は「日本生産性本部」]

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「政府・民主三役会議」「包括的経済連携に関する関係委員会」「首相の記者会見」――。11月10日。首相官邸を忙しく人が行きかい、政権の最高意思決定プロセスが粛々と進んだ。首相の野田佳彦が米国など9カ国で続く環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題でやっと「決断」したからだ。その日に「国家戦略会議」の出番はなかった。首相の肝煎りで創った「重要政策を統括する司令塔」のはずが、決定ラインから外れた「審議会」にすぎない実態を露呈した。推進、反対両派が激しくぶつかった主戦場は9日夜までもつれた民主党の経済連携プロジェクトチーム(座長=前経済産業相・鉢呂吉雄)だった。これに先立ち、国家戦略会議が初会合を開いたのは10月28日。国家戦略相の古川元久が通り一遍のブリーフィングしかしなかったため、会議の始動を1面で報じた全国紙は皆無という冴えない滑り出しとなった。こ ………

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