林オリンパス社外取締役の「蜜」

「獅子身中の虫」が社外取締役という悪い冗談。これが日本式コーポレートガバナンスの実態か。

2011年12月号 BUSINESS [調査報道第4弾]

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土壌に根を生やさず、木や石に付着して光と水分を確保する植物を「気中植物」という。それを社名アングラムの由来とした個人企業のオフィス(日本橋)に電話してみた。「林純一さん、ご在席ですか」「いません、誰にも会いたくないと言ってますから」。ガチャン!間違いなく本人だった。オリンパスの社外取締役である。慌てて居留守を使った理由を本誌は知っている。10年前の「マイカル論争」をご記憶だろうか。大手スーパーのマイカルが1999年に自社店舗を証券化した日本で最初期の商業不動産担保証券(CMBS)をめぐって起きた大論争である。賃借者マイカルが01年に破綻し、買収したイオンとの間でCMBSの債権性が争われた。このスキームに、もとは野村証券事業法人部のオリンパス担当で、パリバ証券(現BNPパリバ証券)債券部長に転じた林が深く関与し、ハイリスクの優先株部分にオリンパス一社から30 ………

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