90歳現役「野見山画伯」のデーモン

被災地に赴き絵筆を握る。「今ある形は束の間のこと。魔性(デーモン)を孕むものは美しい」

2011年12月号 LIFE

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洋画家、野見山暁治は昨年90歳を迎えた。円熟や老成を感じさせないみずみずしい色彩と筆触は、卒寿の今も旺盛な制作への意欲に支えられて鮮やかで豊穣な作品を生み続けている。文筆家としても知られ、ソ満国境に従軍して死線をさまよった戦中派の極限体験から、同世代の戦没画学生の遺作を収集して展示する無言館(長野県上田市)の立ち上げにも力を注いだ。東京・京橋のブリヂストン美術館で開催されている「野見山暁治展」(12月25日まで)には、16歳の時に描いた『自画像』から今年に入って制作された大作を含めて、100点余りが展示されている。70年を超える画業は油彩画だけで600点以上にのぼる。それは西欧から学ぶことで始まった日本の洋画が、この国の人と風土のなかで辿ってきた屈折と闘いの歴史である。鮮烈な叙情をたたえたダイナミックな造形に挑み続ける「90歳の現役画家」の歩みと作品の変 ………

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