楽観できぬ「アラブの春」。過激派のテロがはびこり、政権でもシャリーア尊重政党が優位に。
2011年12月号 GLOBAL
10月20日、リビアの独裁者ムアマル・カダフィの死を伝えるニュースが世界に流れた。国民600万人を弾圧し、莫大な石油収入を元手に、世界各地で数々なテロ活動の後ろ盾になってきたが、興奮した民衆に引きまわされる血まみれの最期を迎えた。3日後にはベンアリ独裁政権崩壊後初のチュニジア制憲議会選挙を控えていたこともあって、国際社会はアラブ社会が民主化に邁進する段階に入ったと高揚感に包まれた。ニコラ・サルコジ仏大統領やデービッド・キャメロン英首相ら西側各国の政府首脳は、アラブ社会に「自由で民主的なニルヴァーナ(涅槃)」が到来することを期待しただろう。ところが、英対外諜報機関MI6、米中央情報局(CIA)、そしてイスラエルの諜報機関モサドの3機関はそれほど楽観していない。国際テロ組織アル・カイダがテロ攻撃を活発化する兆しがすでに現れているためだ。とりわけ懸念されて ………
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