2011年11月号 連載 [いまここにある毒]
Turning Japanese(日本化)などと貶(けな)されて、トホホと思わない日本人はいまい。7月の英エコノミスト誌は、しょぼくれた煙をあげる富士山を遠景に、冴えない顔をした羽織のオバマと花魁(おいらん)姿のメルケルを並べる表紙だった。リーマン危機から3年、再びデフレに直面してふがいない欧米の政治は、どうやら「失われた20年」の日本を連想させるらしい。小泉退陣から5年、野田佳彦総理で6人目と短命内閣が続いては無理もない。……だが、待てよと思う。政権の短命が先進国共通の宿痾(しゆくあ)なら、政治家が高速で消費され、賞味期限が切れたら使い捨ての日本は、有権者の政治家いじりでは先陣ではないか。総理も単なるキャラ。小泉ライオン丸に始まり、下痢ピー、チンパンジー、未曾有、鳩ポッポ宇宙人、スッカラ菅まで、「ポケモン」カードを交換するようにとっかえひっかえだ。AKB48総選 ………
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