「オウム研究」の井上順孝教授が宗教学会の頂点に

2011年11月号 DEEP [ディープ・インサイド]

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日本宗教学会は9月、井上順孝國學院大教授を会長に選出した。同学会は80年の歴史を持ち、このジャンルにおける最大の学術団体である。会長になった井上氏は宗教社会学を専攻し、主に現代の宗教や宗教教育について考察してきた。その井上氏が責任編集者となった本が最近出版された。『情報時代のオウム真理教』(春秋社)がそれである。オウム真理教事件は大きな教訓をいくつも残した。その一つが、研究者の社会的責任の在り方である。日本女子大に勤務していた宗教学者の島田裕巳氏はオウムを「好意的」に評価し、学生に入信のきっかけをつくったなどと非難された。同じく宗教学者の中沢新一氏も擁護的だったとして批判を浴びた。一方、積極的な関与はないにせよ、ほとんどの宗教学者はオウムの台頭に無関心で、懸念の声を上げなかったのも事実であり、事件後も再発防止に資するオウム研究が広がったと ………

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