神々の宿る「中央構造線」

2011年11月号 連載 [眠れぬ夜のバラード ~うつ病時代の処方箋~]

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ときどき仕事にくたびれると南信濃に行く。台風15号の去った9月の末に大鹿村に行った。そこの営林署に知り合いがいるのだが、そればかりではなく、伊那の高遠から大鹿村そして遠山郷に続く秋葉街道が好きなのである。秋葉街道は、天竜川に平行に走る、伊那山地と南アルプスに挟まれた山間の道であるが、直線的に南下する。街道の下を、日本最大の断層である中央構造線が走っているからだ。中央構造線は日本列島がおおよそ1億年前にアジア大陸から突き放された時に出来たものらしい。その大規模な地殻変動によって、異なった岩が強引にくっつけられて出来た断層と考えられている。その距離は2千キロに及び、九州阿蘇山あたりから、四国に伸び紀伊半島を横切り伊勢に至り、海をくぐって渥美半島で北上して豊橋から諏訪に至る。そこで迂回して関東に下る、という長大な断層である。その断層が、秋葉街道沿 ………

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