「9.11」から10年、喪われた機会

2011年10月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第66回]

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あの惨事から早くも10年の歳月が流れ去った。9.11同時多発テロ事件では、3千もの尊い命が奪い去られただけではない。アメリカという名の巨大なタンカーの針路がへし曲げられ、冷戦後の戦略風景を一変させてしまった。運命の日、大統領としてアメリカを見舞った悲劇を引き受けなければならなかったジョージ・W・ブッシュの表情は、いまも忘れられない。大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」から降り立ったそのひとの貌(かお)は、なぜか色彩が喪われ白黒のままわが眼底に沈んでいる。「マンハッタンの世界貿易センターに航空機が衝突した模様です」ブッシュ大統領は、フロリダの小学校の教室でアンディ・カード首席補佐官から耳打ちされた。続くコンドリーザ・ライス国家安全保障担当補佐官からの連絡で大がかりなテロ攻撃だと判明する。大統領一行は専用機「エアフォース・ワン」に飛び乗りルイジ ………

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