2011年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
東京電力の福島原発事故は、他の電力各社の資金繰りにも波及した。最も影響を受けたのは、菅直人前首相が浜岡原発の稼働停止を要請した中部電力だ。5月に浜岡停止を受け入れた中部電は火力発電所の代替稼働によって巨額の燃料費負担を強いられた。おまけに「東電ショック」で起債は依然厳しく、中部電は銀行借り入れの増額を余儀なくされた。そこで注目されるのは、8月末までにまとまった中部電の銀行借り入れの枠組みだ。三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行、みずほコーポレート銀行が総額2500億円を融資し、日本政策投資銀行が1千億円を貸し出す。ここまでは予想通りだが、「国際協力銀行(JBIC)が8月下旬に突然1千億円の融資をしたのには驚いた」と関係者は口を揃える。「企業の運転資金にJBICが融資するのは極めて異例」(金融筋)だからだ。JBICは日本企業による海外資源開発やインフラ投資を融資で支 ………
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