2011年9月号 POLITICS
菅直人首相の継続であれ、財務省待望の野田佳彦首相の誕生であれ、政界再編や連立組み替えがなければ、不安定な政権運営に変わりはない。日本の衰退が現実味を帯び始めても、経済財政を軽視し、政争に明け暮れる永田町の危機意識は薄い。日本の経済財政は試練の秋(とき)を迎えた。「米議会の債務上限引き上げ交渉も増税や歳出削減が焦点だが、これは財政赤字をどう減らすかの話。一方、日本は必要な借金の穴埋めをどう覆い隠すかという話だ」――。東日本大震災の復興基本方針の策定作業が大詰めを迎えた7月下旬、財務省幹部は民主党内で相次ぐ増税反対論に苛立ちを強めた。「通常の国債とは別枠で償還期間5年の復興債を約10兆円発行、その償還財源を確保するため2012年度から時限増税を実施。あわよくば増税には消費税を充てる」というのが財務省の基本戦略だった。だが、政府が7月29日に決定した復興 ………
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