「オスロ極右テロ」聖戦の予備軍

反イスラムの陰謀史観に染まり、平然と殺戮を続けたが、精神異常ならざる「正気」の怖さ。

2011年9月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

7月22日、ノーベル平和賞のホスト国ノルウェーで凄惨な大量殺人事件が起きた。首都オスロでは首相府のある政府庁舎付近で車爆弾が爆発した。仕掛けたのは単独犯で、与党ノルウェー労働党青年部の集会が開かれていた郊外のウトヤ島にも侵入、爆弾や銃の乱射で70人以上の命を奪ったのだ。8月に警官の黒人射殺事件を機に若者の暴動が起きた英国をはじめ、欧州各国や米国のインテリジェンス関係者は、模倣犯が出る可能性を懸念して警戒を強めている。逮捕された32歳のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクは、絵に描いたような白人至上主義者で、尋問でも「もっとアーリア人らしい顔つきになるために」形成外科の手術を受けたと得意になっていた。ノルウェー警察から提供された調書のコピーをもとに、欧米各国の諜報機関の専門家たちは、ブレイビクが大量殺人を実行するに至る動機の解析作業に入った。

罪の意識がない無表情

英 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。