「天ツバ」のマードック叩き

英国の嵐が飛び火。天下のウォールストリート・ジャーナル紙もしどろもどろだが、書生論では犬の遠吠えだ。

2011年9月号 BUSINESS [米国メディアの悪弊]

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2008年1月末、スイスのダボス会議マスコミ分科会に、白髪の老人が遅れて登場した。会場は水を打ったように静まり返る。ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙のアーサー・ザルツバーガー社主をはじめ世界のメディアのトップたちが万雷の拍手で迎えた。当時は76歳だったが、矍鑠(かくしやく)とした足取り。オーストラリアの一新聞社を通信衛星からサッカーチームまで保有するメディア・コングロマリット「ニューズ・コーポレーション」に育て上げたルパート・マードック会長兼最高経営責任者(CEO)その人である。センセーショナリズムで新聞を拡販し、買収を通じてラジオ、映画と多チャンネル路線を展開した。親族を重用し、公私の線引きはあやふやだ。政治にもクビを突っ込む。奇しくも東日本大震災が起きた3月11日に80歳の誕生日を迎えたマードックの生き様は、「新聞王」ウィリアム・ハースト(1863~19 ………

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