2011年9月号 BUSINESS
5月に表面化したゆうちょ銀行の全国銀行協会加盟は、銀行界に身を置くものにとって青天の霹靂だった。「民業圧迫」の巨大官営金融機関として、地方銀行から目の敵にされるゆうちょ銀が、なぜ全銀協に加盟できるのか。背景には、金融庁長官への昇格に王手をかけた畑中龍太郎監督局長(当時)の腕力による、二つの取引があった。一つ目の取引には旧住宅金融専門会社(住専)が登場する。90年代半ばに日本中を揺るがした住専問題を最終処理する改正預金保険法が4月に成立した。住専債権は今年中に回収を終え、その際に発生する二次損失1兆3900億円は民間が拠出した基金の運用益や整理回収機構の剰余金などに加え、預金保険料からの3100億円で穴埋めされる。火種は、そこにある。預金保険は金融機関の破綻時に顧客の資金を守るという目的で、各銀行が預金残高の一定割合を納める制度。実は保険料収入7千億円 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。