欧米も難題は「カン蹴り」経済

伊、スペインも信用不安。連邦債務の上限で身動きとれぬ米国。繰り出す奇策はどれも先送りだ。

2011年8月号 BUSINESS [デフォルトの十字架]

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遊園地の鏡の部屋に入ったように、前に進んだと思ったらまた元の場所に戻ってしまう。バブル崩壊後の日本そのままに、米国や欧州も金融危機後の経済問題にメスを入れずに、やり過ごそうとしているかのようだ。短期の解決策など見当たらないと、先送りを決め込んでいるのだ。7月7日、欧州中央銀行(ECB)は、何事もなかったかのように政策金利を引き上げた。ギリシャ議会が6月末に中期財政計画を決め、それを受けてユーロ圏の財務相が7月2日に緊急電話会議で金融支援を決定したからだ。今回の金融支援で9月までに償還される国債のデフォルト(債務不履行)はひとまず回避された。ギリシャ危機を材料にしすぎたせいか、米欧の株式市場では買い戻しが先行した。日本もその余慶にあずかり、日経平均株価も一時、1万円の大台を回復したが、7月中旬になって今度はイタリアとスペインで、欧州の債務問題が噴出 ………

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