クラシック音楽界が巨額賠償請求

風評被害で欧米演奏家、歌手のドタキャンが続出。原子力損害賠償紛争審査会はどう出るか。

2011年8月号 DISASTER

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東日本大震災は、意外な分野にも甚大な影響を与えている。クラシック音楽の興行の世界だ。欧米諸国を本拠に活躍している一流演奏家や歌手にとって、高額のギャラが支払われ、あたかも王侯貴族のような扱いを受ける日本は文字通りの地上の楽園。だが、世界的な歌劇場がスター歌手とともに大挙して来日したり、名門オーケストラが次々と訪れた日本のクラシック音楽市場は、福島第一原子力発電所の事故によって姿を変えてしまった。チェルノブイリ原発事故の記憶が生々しい彼らは被曝を恐れて来日を忌避。風評被害の総額は地震発生から45億円に上った。3月11日の大地震の発生と福島第一原発の事故を受けて、13日にはフランスとロシア、15日には米国が日本への渡航自粛を自国民に勧告。各国も追随した。在東京の大使館や外資系企業は本部機能を臨時に西日本に移し、大使館職員の家族も帰国するなどしたため ………

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