2011年7月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
5月下旬に発表された生命保険各社の11年3月期決算。朝日生命と三井生命の財務状況が物議を醸している。ともに「日本経済や金融市場の行方が不透明であり、内部留保の確保が必要」などとして配当金の支払いを見送る方針を表明。さらに朝日は基金1200億円分の償還を1年先送りすると発表。「手元資金が足りない状況が露わになった」(金融筋)確かに生保各社は金融市場の低迷で、多額の有価証券評価損の計上を余儀なくされた。原発事故に伴う「東京電力株クラッシュ」に直撃された生保も少なくはない。さらに今回の震災でも免責条項を行使する生保はなく、11年3月期に前倒し計上された震災関連の保険金支払額は国内大手8社で1600億円を超えた。それにしても朝日と三井の前途は厳しく、「配当金見送りは信用不安を惹起しかねない」(金融機関幹部)。特に朝日は1660億円の基金のうち、来年3月に償還を迎える ………
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