「武田薬品」ワンマン長谷川の皮算用

功を焦った経済同友会代表幹事。1兆1千億円の巨額買収に「高摑み」の懸念がつきまとう。

2011年7月号 BUSINESS

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武田薬品工業は5月19日、スイスの製薬大手ナイコメッド社を96億ユーロ(約1兆1千億円)で買収すると発表した。日本企業のM&Aで歴代3位、同社にとっては過去最大規模の買収となる。これにより進出地域は世界28カ国から70カ国へと広がり、欧州や新興国での事業基盤を手に入れる。主力品の特許切れにより、2011年度以降はマイナス成長が見込まれる中での買収劇だけに、4月に経済同友会代表幹事に就任した長谷川閑史社長(65)は、満面の笑みで記者会見に臨んだ。第一声は、「日経さん、ごめんなさい」。前日に「きょう発表」と報じた日本経済新聞に対するコメントだが、謝罪と言うよりも双方の親密さをアピールするものだった。長谷川氏が軽口を叩きたくなるのも当然で、5月11日に発表した11年3月期決算は、売上高は前期比3.2%減の1兆4193億円、営業利益は同12.6%減の3670億円、経常利益は同10.6%減の3 ………

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