2011年7月号 連載 [眠れぬ夜のバラード ~うつ病時代の処方箋~]
6月2日のNHKクローズアップ現代で「幸せの尺度」の見直しが各国でなされているとあった。何を幸せとするかは人によって異なるから、ここでの幸せの尺度とは、人々の暮らしはおおむねどのようであるべきか、といったことの模索と理解されよう。車があって、大画面のテレビを備え、ショッピングに便利な都市近郊のクーラー付きの住宅に住む、などといったことがこれまでの庶民の大方の夢であった。しかし、これは裏を返せば、高機能を高燃費で求めることに他ならないと、大震災のおかげで、人々は気がついたのである。とりわけ、原子力発電所の破綻は大いなる教訓をもたらしたといえよう。つらつら考えれば、低燃費イコール低機能すなわち低い幸福度、というのは誤りである。高機能とは無縁で、機械化されていない農業を経済基盤としているブータンの人々の幸福度は極めて高いという。豊かであれば幸せに ………
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