360億円踏み倒し「谷絹子」の隠れ家発見

2011年7月号 BUSINESS

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周辺に在日公館もある東京・港区閑静な高級住宅街。その一角に立つ瀟洒なマンションの警備員は、外観を撮影している不審者を発見、すぐ飛び出して誰何した。体重100キロになろうかという屈強な警備員の体躯に気圧されたのか、カメラを構えていたその男は、素直に背広から一枚の名刺を取り出して、警備員に手渡した。ぎょっとしたのは警備員のほうだった。名刺にはこう印刷されていたからだ。「大阪地方検察庁 主任調査官」検事には必ず、検察事務官と呼ばれる各検察庁採用の事務職員が一人付く。資料の整理から容疑者取り調べの立ち会いなどもその職務である。各事務官は強制捜査が間近に迫ると容疑者の通称「コウカク」と呼ばれる行動確認、つまり逃亡を防ぐため容疑者の動静監視を続ける。大阪地検の名刺を差し出した男は容疑者が大阪から東京に引っ越してきたことを確認し、担当検事に伝えるために ………

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