振興銀「江上剛」の法的責任

看板をおろし一部事業譲渡で、公的資金3500億円以上の穴。取締役会議長は本当に騙されていたのか。

2011年6月号 DEEP [ペイオフ最終章]

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木村剛前会長が銀行法違反(検査忌避)容疑で逮捕されてから9カ月経った4月25日、「日本振興銀行」の看板がひっそりと消えた。管財人である預金保険機構が100%出資する「第二日本承継銀行」に、資産の一部と預金などの負債が事業譲渡されたからだ。金融庁も預保も会見ひとつ行わず、プレスリリースだけ。これで最終章は幕なのか。そうは問屋が卸さない。事業譲渡に伴い、図Ⅰのように預保は振興銀と第二承継銀に1700億円を贈与した。このほか、すでに振興銀には1800億円も融資しており、これも回収できない見通しなので、“出血”は3500億円に達する。しかも、第二承継銀に譲渡されたのは正常・要注意先債権のみで、不適資産は整理回収機構(RCC)送り。預保はその買い取り資金529億円をRCCに融資しているが、一刻も早く責任逃れしたい三重野隆審議役の指示でいい加減に切り分けたもの。ペイオフによって1 ………

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