神から見捨てられた「福島の叫び」

放射能汚染が増幅する悲劇。人口は減り、すべての産業が廃れる。我が故郷はどうなるのか。

2011年6月号 DISASTER

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4月21日、菅直人首相は福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」を訪ね、原発事故で故郷を離れた人々を見舞った。ここは2千人もの避難民を収容する県内最大の施設であり、富岡町、川内村から強制退去した人々がひしめく。翌日は、東京電力社長が訪れ、土下座を繰り返した。退去市町村のことばかり報じられるが、原発から55キロ離れたこの地で暮らす人々の思いは複雑だ。避難民をケアする郡山も、原発被害に苦しむ市町村の一つにほかならないからだ。都道府県で3番目の面積を持つ福島県は太平洋岸から内陸へ、浜通り、中通り、会津と縦に3分割される土地柄である。原発事故は浜通りで発生したが、その被害は20キロ圏、30キロ圏にとどまるものではない。風評被害は瞬く間に福島全域に広がり、もはや払拭不可能になっている。

「鉄屑」まで追い返される

郡山市から10キロ南にある須賀川市で生まれた私は、この地でクリーニング業 ………

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