福島原発「工程表」の裏で米vs.仏原発メーカーがバトル

2011年6月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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東京電力は4月中旬、福島第一原発から漏れる放射線量を大幅に減らすための「工程表」を発表したが、背後では原発の設備を設計した米国勢と、原発ビジネスの拡大を狙う仏アレバの争いがあった。工程表では、最初の3カ月間の「ステップ1」で原子炉と使用済み核燃料プールを安定的に冷却。次の3~6カ月の「ステップ2」で原子炉の格納容器にも大量に注水し、原子炉の温度を100度以下に安定させる「冷温停止」に持っていく。この方法は原子炉の中核部分も水で満たし、長期間かけて冷却する「水棺方式」にほかならない。水棺を強く提案したのは米政府と米ウェスチングハウスを傘下に収める東芝などのグループだ。このやり方では、長ければ数年から十数年も汚染が続くが、最終的に成功すれば燃料棒の反応を抑え、原子炉を完全に制圧できる。一方、仏政府やアレバはチェルノブイリ事故で行われた「石棺方式」を ………

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