人が感じる揺れだけが前触れではない。地中ではすでに東海地震の破壊現象が始まっているとの見方も。
2011年6月号 DISASTER [「東海地震」本当の切迫度]
「浜岡原発は原子炉の全てを運転停止するよう中部電力に要請した」菅直人首相の緊急会見を受け、5月9日中部電力は「浜岡停止」を決めた。浜岡原発は近い将来必ず起きると想定される東海地震の震源域のほぼ中央にある。文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、東海地震が今後30年以内に発生する確率は87%と高い値になっている。菅首相は「地震が切迫しているという“特別な状況”から、国民の安全と安心を考えた。重大な事故が発生した場合の日本社会全体の甚大な影響を考慮した決断だ」と述べた。浜岡停止には賛否両論あるが、ここでは原発直下に起きる東海地震そのものの現状を論じ、純粋に危機管理の面から話を進めたい。
駿河湾を震源に「明日起きても不思議ではない」と東海地震説が出されたのは1976年8月だった。浜岡原発1号機はその5カ月前に運転を開始した。以来35年、1号機と2号機は ………
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