松永事務次官をくどくどと問い質す「イラ菅」首相。経産省のパワーを削ぎ取る霞が関バトルが始まった。
2011年6月号 BUSINESS
産業振興や原子力政策の旗振り役を務めてきた経済産業省が、瀬戸際に立たされている。東日本大震災と大津波で起きた東京電力福島第一原子力発電所の事故は収束せず、巨額な賠償責任を抱える東電と同様、経産省も重い十字架を背負った。電力業界と癒着してきた経産省への風当たりは強く、事実上の「解体論」の火の手が上がる。原発事故の損害賠償問題の枠組み作りがヤマ場を迎えていた4月27日、菅首相は官邸に経産省首脳を呼びつけた。海江田万里経産相、松永和夫経産次官、細野哲弘・資源エネルギー庁長官の3人である。「レベル7」まで事態を深刻化させた東電と、監督官庁である経産省に対する首相の不信感は強い。首相は事故直後の3月15日の早朝、福島原発からの撤退を示唆した東電の本店に乗り込み、「撤退したら東電は百パーセントつぶれる」と清水正孝社長らを怒鳴りつけた。首相がその東電と一蓮托 ………
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