2011年6月号 BUSINESS
収束せぬ原発事故などイライラが続く菅直人首相の怒号が響く首相執務室。その「イラ菅」が話に耳を傾ける人物がいる。勝栄二郎・財務省事務次官と小野善康・内閣府経済社会総合研究所長――。首相が信頼を置く大物官僚と経済学者である。二人の共通項は、増税による震災復興だ。4月上旬、小野氏が首相に献策したとされる「個人メモ」が出回った。まず「今のような非常時は国債信用の危険が最も高く、国債発行を最も避けるべき時期」と、安易な国債発行を否定。「高齢化だけでなく、災害も社会保障の一つ」と指摘し、「社会保障を賄うという趣旨にあう」として消費税を時限的に増税する「復興支援税」を導入すべきと説く内容だ。首相が傾倒し、昨夏の参院選で苦杯をなめる要因となった増税による経済成長。「増税しても使い道を間違えなければ、景気は良くなる」という小野理論が再来したのだ。ほぼ同じ頃 ………
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