「福島」に過剰反応した外資系が脱出を図るなかで、「敵前逃亡」を許さぬ金融資本の先兵。
2011年5月号 DISASTER
3月27日の日曜、米大手投資銀行ゴールドマン・サックス(GS)の日本法人(ゴールドマン・サックス証券)社長、持田昌典から朝一番のメールが送られてきた。同社の株式、債券、コモディティ(商品)、投資銀行の各部門の幹部はぎょっとした。時計の針はまだ午前7時を回ったばかり。メールには眠気を吹っ飛ばすような怒気がこもっていた。「事実と異なる印象を与える記事」「我々のこの2週間の真剣な努力をお客様に誤解されるようなことは絶対にあってはならない」持田がいきり立ったのは、同日付の日本経済新聞朝刊の第1面に載った連載企画記事だった。「三度目の奇跡 第3部 大震災にひるまず(下)」とのタイトルで、大震災後の週明け東京株式市場の緊迫がドキュメンタリー風に描かれている。「『東京証券取引所に市場閉鎖を共同で要請すべきではないか』。パニック状態の中でゴールドマン・サックス、 ………
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