計画停電と部品不足に翻弄される鉄道業界

2011年5月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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鉄道業界が震災の影響に頭を抱えている。3月14日からの東京電力の計画停電の内容が関東の鉄道各社に知らされたのは13日夕方。開始まで12時間もなく、各社は大混乱に陥った。拙い東電に怒り狂った国土交通省が強く後押しして、計画停電中も鉄道だけスポット的に給電されて漸く輸送が安定した。計画停電は4月8日に終わったが、一難去ってまた一難。福島第一原発から20キロ圏内の避難指示区域にある日立化成の工場が稼働できず、電車の直流電動機(モーター)用のカーボンブラシの供給が止まった。摩耗し、まれに割れることもある消耗品で、他社でも生産が可能だが、型が必要なので代替品の製造には時間がかかる。JR西日本では一時、間引き運転を実施。東武や西武、名鉄など直流電動機を使う電車の比率が高い他鉄道でも間引き運転は時間の問題だ。「部品の一社集約化が進んで冗長性が足りないのが問題」と ………

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