薬害賠償の「津波」に防波堤

なぜ国は負けられないのか。財務省と官邸が「政策形成訴訟」にアラームを鳴らした内部文書を入手した。

2011年5月号 DEEP [イレッサ訴訟]

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あとで振り返れば、末期肺ガン治療薬「イレッサ」の副作用をめぐる薬害訴訟は「日本の裁判の曲がり角」――アメリカのクラスアクションに似た「集合訴訟」の幕開けだったと評されるかもしれない。首相官邸の内閣官房副長官補スタッフが作成した内部文書には、ヒヤリとするくだりがある。原告の弁護団が他の薬害訴訟と重複して“プロ化”していることを示す図とともに、共通する訴訟戦術を「政策形成訴訟」と定義、国家の潜在的脅威とみなしているのだ。それは消極主義を捨てた司法に身構える行政、つまり日本の三権分立の危機を象徴している。イレッサは英国に本社のある大手製薬会社アストラゼネカが日本で輸入販売したもので、2002年7月、世界で初めて日本で医薬品として承認された。それまでの抗ガン剤がガン細胞を攻撃するとともに、正常な細胞にもダメージを与えるため患者の苦痛が大きかったのに対し ………

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