東電に10兆円超える損害賠償責任

途方もない損害賠償請求に加え、取締役は株主代表訴訟で丸裸。業務上過失傷害罪による刑事告訴・告発も。

2011年5月号 DISASTER

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東日本大震災に伴う福島第一原発の事故で、東京電力が支払う損害賠償は一体いくらになるのか。複数の弁護士に取材し、積算すると、途方もない数字がはじき出された。また東電の取締役たちは民事に加え、刑事責任を問われる可能性もある。最初に、過去の例から単純に賠償金を試算してみよう。原子力事故で賠償金を支払ったのは、1999年に茨城県東海村の核燃料会社「ジェー・シー・オー(JCO)」で起きた臨界事故。これ1件だけ。このときは3日間、半径350メートル圏内の住民に避難指示、10キロ圏内(面積約3万ヘクタール)の約30万人には屋内退避要請が出た。JCOは「放出した放射線量はわずか」として健康被害の賠償を拒み、農家や企業・店舗の損失補填、住民見舞金などで約150億円を支払った。納豆メーカーやパチンコ店の風評被害も賠償し、平均支払額は約200万円だった。福島第一原発事故の避難・屋内退 ………

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