「9.11」から「3.11」へ教訓

傷んだシステムの回復には「つながり」を強化することが大切。米国で9.11を現場体験した筆者が三つの提言。

2011年5月号 DISASTER [メガリスクの処方箋]

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瓦礫の山と化した街。廃墟の中で鬼火のように燃える漂流燃料からの火災。現場で茫然と立ち尽くす人たち。2011年3月11日の大震災の光景は、われわれを凍りつかせた。正直に言おう。筆者は凄惨な震災の現場に居合わせたわけではない。メディアを通じて現場の上っ面を垣間見ただけだ。しかし、震災後の1週間はぐったりとして、ほぼ何も手につかなかった。頭の一部が凍ったような感じになり、廃墟の光景が何度もフラッシュバックする。その廃墟の光景はどこから来たのか。筆者は今から10年前の01年9月11日にニューヨークのワールドトレード・センターにいた。抜けるような青空の下、ツインタワーへ旅客機が速度を上げ、吸い込まれるように突っ込んだ。紅蓮の炎と黒煙にツインタワーは包まれる。十数人もの人々がひとり、またひとりと炎と煙に耐え切れず、ビルから飛び降りていく。やがて2本のタワーは膝をつ ………

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