「世界の工場」中国が怯える7月危機

東日本大震災による製造業サプライチェーンの混乱は長引く。本当の危機は川上の在庫が尽きる7月から。

2011年5月号 DISASTER

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「部品メーカーの出荷再開は予想以上に早く、日本の底力を感じる。だが、心配なのは7月以降だ」――。広東省東莞市にある先鋒高科技東莞の中根伸芳会長は厳しい表情で話す。同社は、パイオニアとシャープが光ディスク事業を統合して設立した合弁会社の主力生産拠点。両ブランドのブルーレイディスク(BD)レコーダーやIT(情報技術)機器向けの光ディスクドライブなどを生産し、世界各地に出荷している。3月11日の東日本大震災の影響で、日本から調達していたカスタム半導体など一部のパーツの入荷がストップ。先鋒高科技は工場の部品在庫を頼りに操業を続けたが、4月1日から生産の一時休止に追い込まれた。幸いなことに取引先の部品メーカーの被害は限定的で、日本国内の物流網の回復とともに続々と出荷を再開した。中根会長は全ての部品について向こう2~3カ月分を確保できる目処をつけ、4月8日から操業 ………

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