逆風「原子力ルネサンス」「されど」と欧米推進派

勢いづく反原発派に対し、温暖化ガス抑制の切り札として「原子の火を絶やすな」と懸命の反論。

2011年5月号 DISASTER

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3月11日に発生した大地震と津波が、日本の東北地方太平洋沿岸部を襲い、壊滅させたのを目のあたりにして、世界中がショックを受け、救助と復興を心から支えたいという気持ちでひとつになった。しかし、津波で建物や機器が損壊し、放射能汚染の広がりが懸念される福島第一原子力発電所の事故について、世界各国で見方が分かれ、過剰反応と思える意見も散見された。福島第一原発事故を全体の文脈の上で見るために、まずいくつかの重要な事実関係を十分理解してもらいたい。第一に地震と津波という二重の被災で、放射能汚染につながる事故が発生したのは、日本の原発でも古い福島第一原発(1971年に第1号機の営業運転開始)だけだという点である。東北地方太平洋沿岸部にある女川原発(東北電力、宮城県牡鹿郡)を含む17カ所の原発施設は無事だったのだ。第二に、福島原発で起きた惨事は、津波の届かない高 ………

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