小出しの補正に「国債より増税」の大合唱。ドサクサ紛れに政治家もマスコミも洗脳している。
2011年5月号 DISASTER
東日本大震災は1カ月経ってもまだ余震がやまず、復旧・復興もままならない。震災対策を財政面で支援する補正予算も、財源がおぼつかないため小出しになっている。日本軍の敗因を分析した名著『失敗の本質』でいう戦力の逐次投入――効果の乏しい小出しという典型的な駄目パターンだ。1次補正について野田佳彦財務相は「国債発行に頼らず『自賄い』で対応したい」として予算規模は4兆円程度とした。今後も今国会中に2次補正、秋には3次補正も視野に入れているようだが、こうして「ない袖は振れない」式の財源論から予算規模を決めていると、急を要する災害復旧では適切な対応ができない。
ポイントは復興の前の復旧段階でどこまで復興対策のグランドデザインが描けるかなのだが、それができていない。現行制度の災害復旧法のもとでは復旧は「原状復帰」とされているが、これを修正しなければいけない。「 ………
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