中国人労働者「脱リビア」大作戦の矛盾

3万6千人の救出にフリゲート艦や客船、民間機や空軍輸送機を動員。プレゼンスの大きさがリスクを招く。

2011年4月号 BUSINESS

30年の独裁に終止符を打ち、エジプト大統領を辞任したホスニ・ムバラクは2月11日、カイロ郊外のヘリオポリスに聳えるファラオの宮殿のような大統領宮殿から、ヘリコプターで飛び立った。東部の保養地シャルムエルシェイクへの旅立ちは、彼が忘却の彼方へ、幽明の境を越えていく旅でもあった。その数日後、カイロ国際空港にジャンボ旅客機ボーイング747が滑りこんだ。搭乗していたのは、ムバラク前政権の招待を受けた中国政府の代表団である。チュニジアのジャスミン革命が波及、ホストのムバラク政権は崩壊してしまい、渡航をキャンセルする間もなかったのだ。が、“お取り込み中”にもかかわらず、長時間かけてカイロに乗り込んできた理由がないわけではない。イスラム全域がジャスミン革命のドミノに揺れるなかで、「米国に対抗する勢力」と見られている中国の地位が損なわれていないかどうかを確認し、 ………

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