タイ・カンボジア国境紛争 「寝た子」起こした世界遺産

タクシン派復活を恐れ、総選挙延期の口実にしたいタイ軍部。カンボジア首相は「貿易とは別」と言うが。

2011年4月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

国境の山岳寺院周辺の領有をめぐるタイとカンボジアの軍事衝突は、2月22日に東南アジア諸国連合(ASEAN)が議長国のインドネシアを中心とした国際監視団の派遣を決めたことで、とりあえず停戦状態に入った。だが、両国の内政は予断を許さない。2月初めに始まったタイとカンボジア間の軍事衝突は、少なくとも11人の死者を出し、周辺の村民数千人が立ち退きを強いられた。11世紀に建てられたヒンズー教寺院「プレアビヒア」(クメール語で「聖なる廟」)の遺跡は、国際司法裁判所(ICJ)が62年にカンボジアに帰属するとの裁定を下し、周辺の領有権については明文化しなかった。カンボジアが08年にユネスコ(国連教育科学文化機関)に世界遺産への登録を申し込み、タイ政府も同意したのだが、これがタイ人の愛国心に火をつけて「寝た子」を起こしてしまった。今回の衝突は08年に緊張が高まって以来もっとも ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービスです。年間定期購読をご契約の方は無料でご利用いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※ご利用いただけるサービスは購読コースにより異なります。詳しくはこちらをご覧ください)。